アメリカ歯科事情、ほんとのところ

  アメリカ歯科事情、ほんとのところ

お役立ちコラムCOLUMN

2012.09.30

アメリカ歯科事情、ほんとのところ

アメリカの歯科事情について、ほとんどの日本の先生は本当の事実を知りません。

実はアメリカでは、教育制度がしっかりしているおかげで、本当に技術レベルの高い先生は患者さんの獲得に全く困っていません。

というかむしろ、予約が取れないのが現実です。

一流の歯科医はアメリカではピラミッド構造の頂点に君臨し、おおむね200名程度しかいないといわれています。

そのような先生は患者さんは紹介された人しか見ませんし、審美歯科などという怪しげな治療やインプラントなど一切やりません。
おおむね初診の予約から実際の治療を受けるまで1年以上かかる場合もまれではありません。
というのは、患者さんが終了しないと次の患者さんを新しく入れられないので、待ちになるようです。

また、アメリカの患者さんは日本のように急を要するような人が少ないのが特徴で、痛くはないが将来困らないために、時間をかけてきちんと治そうという意識が高いからです。

マスコミに取り上げられたり、日本によく来日する歯科医はほとんどアメリカではマイナーか、悪徳な歯科医です(金もうけに走っている)

そのような事実は意外に知られていないのです。

また、治療のほとんどが、修復治療で、アマルガムや、グラスアイオノマー、をきちんと充填できるかが歯科医としての腕の見せ所です。

特にアマルガムは、歯科の修復で最も技術が必要で、これをアメリカの大学で徹底的に仕込まれます。

レジン充填をセミナーでするずれたアメリカ人のドクターはいません。
なぜならレジン充填は長期間もたない材料であることは、一般の患者さんもほとんど知っていて、きちんと治療を受けようとする患者さんがそのような治療を希望するはずがないからです。

また感染予防に関しては、医院の感染予防はシステムになっており(これは私が見学に行ったほとんどすべての先生がそのシステムで歯科医院の設計をしていた)、クラスBオートクレーブは開業時に購入するのが当たり前、タービン、エンジンの滅菌は勿論、感染防御のビニール掛けは徹底しています。

よく、アメリカ帰りの先生が開業して、セミナーなどを開いていますが、その先生の感染予防対策を見ればそのレベルは簡単に露呈してしまいます。

ビニール掛けはしない、オートクレーブは日本製、といった時点で、治療技術がどうあれ、最低限のやるべきことさえしていない先生と言えるでしょう。本来あるべき治療ができているか怪しいものです?

アメリカでは、患者さんのレベル自体が違うので、日本で行っているような野戦病院の治療とは違い、余裕をもってきちんと治療しています。

このような事実を日本の患者さんも歯科医師も知り、ともに変わろうと思わなければ、日本の歯科レベルがアメリカの歯科にレベルが追いつく日は永遠に来ないでしょう。(アメリカ人向けのあちらで売っている日本への旅行誌には日本の歯医者に行くと感染の恐れがあるので絶対行ってはならないと書いてあります)

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