- 2011.06.02
安全のお値段
最近では日本も安全と言いきれなくなってきました。
昔は安全がお金がかかるものだとはだれも思わなかったでしょうが、今は水道水さえ飲めず、安全な水を買っています。
安全といえばいろいろなものにそれに見合った安全性が要求とされます。
最近の話題では原発が、非常に高い安全性が要求されたにもかかわらず、著しく低いレベルの安全対策しかとられていなかったことが事故の原因でしょう。
食品の安全性も最近では必ずしも信用できなくなってきました。
パン屋で買ったパンは3日でカビが生えたのに、スーパーで売っているパンは1週間たってもカビが生えないのも変に思えます。
かといって、あまりに疑っても何も食べれなくなるので、最近では値段が安すぎるものはちょっとだけ疑ってから購入するようになりました。
そうすると、「野菜がいやに安いな」と思って良く見ると中国産だったり、確かに安い理由があるのですね。
昔、中国に赴任していた患者さんがいて、「中国では野菜を大きく育てるために、女性ホルモンをいっぱい使っているから怖くて食べれない。でも、女の子の中は逆にふくよかになるからといってわざと食べている人もいる」
という話しを聞いた時、寒気がしました。
食中毒を出した焼き肉屋さんも、映像で出てくる値段はどう考えても安すぎるのではないかという値付けでした。
医療も同じです。安すぎるのはちょっとおかしいと言えます。
何かをきちんとしようとすればそれなりにお金はかかるものです。
歯科治療も感染予防など安全に治療を行うにはコストはつきものです。
これは単に、ユニット周りをカバーするだけでなく、滅菌器具の準備をしたり、洗浄したり、その手間にコストがかかるのです。
きちんと消毒しようと思えば、それに使う薬剤にもそれなりの値段の物を使う必要があるのです。
私は普段からかなり高めの消毒剤を使っていましたが一時期、友人から非常に安い消毒薬をもらった事がありました。さっそく使ってみましたが、どことなく不安感がぬぐい切れず、使い切らずにすてしまいました。
患者さんとしては、安ければ安いほど「安かった、ラッキー」と思うでしょうが、値段とはそれなりの理由があるものです。
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