- 2010.01.20
歯の治療と体の関係
歯が体全体に大きく作用していることはよく知られています。
一体どのようなメカニズムによってそのようなことが起こっているのかは容易に説明できるものではありません。
たとえば、よく見かけるのが自律神経系の異常です。
これは、もちろん肉体的に問題があることが原因であるのですが、それ以外にもかみ合わせが悪かったりすると顕著に現れることがあります。
私の患者さんでも歯の治療をしてゆくうちに、ラバーダムさえかけることができないほど嘔吐反射(喉を触られるだけで吐きそうになる)患者さんが、何をしても全然吐き気を起こさなくなったり。
嫌な人のことを考えただけで心拍数が上がり、異常に緊張する、といった人たちが治っていくのを見てきました。
このように思いもしない変化が起こるのは、おそらくかみ合わせが首の筋肉の相当大きな影響を持っているからだと思います。
それがためにかみ合わせの位置を変えることで、頚椎の形態が変化し、刺激されていたり、筋肉で圧迫されていた神経系がかわってくるからではないかと思っています。
人間は動物の中でも、2足歩行という極めて特殊な歩き方をする動物であり、これがさまざまな問題を引き起こしているともいえます。高度な進化を遂げたことに対する大きな代償です。
また生活環境が著しく変化して、体を使わない、頭ばかりを使う生活を強いられているのもきっと良くないのでしょう。
歯と体、そして生活や運動、などさまざまな要因が組み合わさって疾患が作られているので、治療も容易ではないし、場合によっては時間がかかると思います。
そこまで患者さんが理解してくれると非常に治療はやりやすくなるのですが・・。
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