- 2012.02.11
対症療法と原因療法との違い
体の治療でも歯の治療でも治療には原因療法と対症療法が必ずあります。
残念ながら現代医学の治療の多くは対症療法にすぎません。
もちろん必要な対症療法もありますし、それによって自己治癒力がアップして治りが早くなったり、苦痛が軽減するばあいがあるのは勿論です。
しかし、対症療法と、原因療法との区別して考えなければなりません。
とくに整形外科、皮膚科などは、かなりの部分が対症療法で構成されており、中には治療とすら言えるるのか疑問になるような治療が保険制度下には数多くあります。
たとえば、「腰が痛い」という訴えに対して、湿布を貼る、痛み止めを出す、これは治療とはいえません。むしろ痛み止めによる体の副作用のほうが強い場合があります。
もともと腰が痛くなった理由を考えれば、体の姿勢が正常ではなくなり、無理な力や負担が特定の筋肉にかかってしまうために、痛みが起こります。
ということは、一生動いたり、運動したりしないのであれば問題ありませんが、生きている限り、その姿勢を直さない限り、痛みは消えません。
湿布や、痛み止めはその痛いのを止めているにすぎないのです。
皮膚科の薬も、何らかの体の問題(多くは体内の毒物や、異物の排除が行いきれなくなっておきるのですが)が皮膚に現れたに過ぎず、たとえば肝臓の機能が限界に来ると、アトピーや、湿疹などの症状が出ることもあります。
ですから、その症状を薬で抑えても、かゆいのは止まりますが、治療としての原因療法の意味は全くありません。
とくにステロイドは、体の反応を抑えるために、免疫機能を抑えてしまうため重篤な副作用が出てしまいます。(人によっては何十年もその副作用が抜けない場合があります)
このような危険な薬を赤ちゃんにまで平気で出し続ける皮膚科医の医師としての発想を疑います。
歯を治すことで、歯とは一見関係のなさそうな問題が解決してゆく場合があるのは、歯の治療が原因療法であることの裏返しです。
はっきり言いますと、歯科医師の治療は全身に対して、かなり重要な治療行為の位置を占め、対症療法を一歩ぬきんでた感があるのです。
医師の治療がほとんど対症療法であるのに対して、歯科の治療はきちんと行えば、そのほとんどが原因療法に当たるのです。
勿論、医師の治療でも、食事療法や、栄養指導、適切なリハビリテーション、運動指導など、原因療法も多くあります。しかしどちらかといえば地味であることは否定できませんし、何より、それらのもっとも重要な技術に対する報酬が少なすぎるのです。
このようなことが理解されているので、アメリカでは、医師と歯科医師では歯科医師が社会的地位が上にあるようです。
もちろん今の日本の目立つ歯科医師にあまりお勧めできる歯科医師はいらっしゃいません。(インプラントの良さを誇張したり、審美治療、審美矯正を宣伝したりと、枚挙にいとまがありません)
せっかく勉強して歯科医になったのですから、原因療法のできる歯科医師になりたいと誰でも思うでしょう。
残念ながら、原因を考えながら治療をしている医師や歯科医師は非常に少なく、それが民間療法を受ける人を増やす続けるわけで、医療従事者自体が考え方を変革しないと、なかなか医療費の削減は難しいといえるでしょう。
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