不適切なブリッジ、部分入れ歯の治療が原因

  不適切なブリッジ、部分入れ歯の治療が原因

お役立ちコラムCOLUMN

2019.11.20

不適切なブリッジ、部分入れ歯の治療が原因

詰め物、かぶせ物、入れ歯で始まる顎関節症

噛み合わせと全身の不調(顎関節症)と「パーシャル・デンチャーとブリッジ」は深い関係があるのです。

1、ブリッジと噛み合わせ
2、パーシャルデンチャーと噛み合わせ
3、インプラント治療はどうなのか?
4、歯科の専門家はこれを選ぶ?

1、ブリッジと噛み合わせ
ブリッジの治療をされてから、体調不良を訴える方が少なくありません。
これはブリッジの治療が実はとても難しいからです。

奥歯のブリッジ
奥歯のブリッジを入れられてから体調不良を訴える方は少なくありません。多くの場合6番(親知らずを除いて奥から2番目の大臼歯)を失って⑤6⑦(〇で囲まれた歯がブリッジの土台となる歯)でブリッジを作るケースが最も多いのですが、この時、仮歯が正確に作成されていないと、噛み合わせが狂い、顎の位置が元の状態からかけ離れた状態になります。

また仮歯自体の「耐摩耗性」も非常に重要です。通常の安価な材料だと、型を取ってから装着するまでの間に仮歯がすり減り、噛み合わせが低くなり、「セット時、噛み合わせの調整が必要になる」ことがほとんどです。これでは正確なかみ合わせに戻らないので、結局顎の位置が変化してしまい、そこから全身の不調が引き起こされるのです。

またブリッジを装着した後でも、噛みしめによる衝撃で本人も気が付かないうちに片方の歯だけ外れ、中に細菌が入って虫歯になってしまうケースがあります。片方だけ外れると歯が移動した入りして、再装着も正確にできなくなります。

 

前歯のブリッジ
前歯を失ったばあい、デンチャーを嫌がってブリッジにされる方がほとんどだと思います。歯医者さんも、前歯が抜けてしまった場合、デンチャーを敢えて勧める先生は非常に少ないでしょう。しかし実際には、前歯のブリッジは非常に難しく、ブリッジ製作時裏側の面の角度をわずかでも間違えると、下の歯の当たりがきつくなり、それが原因で顎関節症なり、原因不明の体調不調に悩まされることが実際、頻繁に起きています。

2、パーシャルデンチャーと噛み合わせ
パーシャルデンチャーのかみ合わせは、実は矯正治療を除くと治療の中で最も難易度が高い治療といえます。実際にパーシャルデンチャーの患者さんの噛み合わせをきちんと治すことができる先生はほとんどいらっしゃらないと言っても過言ではありません。

パーシャルデンチャーの製作では、患者さんの体のバランスが最も良くなる理想的なかみ合わせの位置を採得できる技術が必要です。その位置で模型を咬合器に装着してから、歯の治療と、パーシャルデンチャーの製作だけで調和した噛み合わせを作る治療が可能か、それともフルデンチャーで完全にかみ合わせを作り直さなければ治せないのかの診断ができる能力が必要なのです。

入れ歯が合わないという患者さまがいらっしゃいます。そのほとんどは噛み合わせに原因があるのです。

3、インプラント治療はどうなのか?
最近では、アゴの骨に歯を固定するインプラント治療もありますが、きちんとしたデンチャーを作れよ噛めるので、本来は必要のない治療と言えます。インプラントは業界でも宣伝広告にかける費用が最も多く、それだけ儲かる治療と言えます。

噛めるデンチャーを作るためには高い技術が必要です。十分な技術を持っている先生は限られるうえ、患者さんが不必要にデンチャーを嫌がるため、インプラントになびく先生が多いのだと思います。

インプラントは人生の終末期にどう扱うかや、女性は閉経後骨の減少など、将来の不確定な要素がたくさんあります。また手術自体も非常に危険を伴う治療なのです。
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4、歯科の専門家はこれを選ぶ?
私が30年近く歯科医をやっていて歯を失ったときに最もよい治療方法はデンチャーであると確信しています。デンチャーは上手に製作すれば、違和感もなく、残っている歯をほとんど削ることなく治療ができ、機能回復も十分行える最高の治療と言えるのです。

よくブリッジは両側の歯を削り、デンチャーは隣り合った歯を痛めるといった嘘の広告がインプラントに誘導するために出ていますが、インプラントが最も危険なのは、人間の骨自体を傷つけているということなのです。デンチャーは言われるほど骨も歯も傷つけません。私の経験だと20年以上たっても何も問題のない患者さんがほとんどなのです。

 

 

かぶせ物(詰め物)の治療で顎関節症(体調不良)になることがある?

かぶせ物の治療で顎関節症(体調不良)になったのは以下の様な方々でした。

1、一番奥の歯を金属から白い詰め物に変えてから体調が悪くなった
一番奥の歯は、実は噛み合わせの高さを決めている、とても大切な歯です。
この歯を金属からレジン(樹脂)に変えてしまうと、噛みあわせが大幅に低くなってしまうこともあるのです。

噛みあわせが低くなってしまうと、顎が奥に入って嚙み締めがひどくなることがあります。嚙み締めがひどくなるとさらに奥歯が磨り減り、どんどん噛みあわせが低くなってしまう悪循環が起こります。

この悪循環が引き起こされると、顎関節症(体調不良)が発症して、不定愁訴を訴えるようになる方がいらっしゃいます。

 

2、奥歯のブリッジを入れてから、噛みあわせと体の調子が悪くなった
奥歯のブリッジは実は噛みあわせを作るのが非常に難しいのです。

ブリッジの型を正確に取った後、正確な噛みあわせの記録と、正確な高さの仮歯を入れる必要があります。

ブリッジの型を正確に取るにはシリコンという精度の高い材料で個人トレー(患者さんの歯列に合わせてオーダーメードで作った型を取るためのトレー)を使って型を取る必要があります。

またブリッジを作成する相手側の歯列も正確に型取りしなければなりません。ブリッジのような精密なかぶせ物を作る場合は個々の型の精度だけでなく、技工士さんの技術もとても大切な要素なのです。

ブリッジの型を取った後で正確な仮歯が入っていないとブリッジを入れるとき噛みあわせの調整(ブリッジの噛みあわせの面を削ること)が必要になることがあります。

大きく調整されたブリッジを入れた場合、噛みあわせに違和感が出たり、場合によっては顎関節症体調不良を含む)を起こすことがあります。

多くの先生も理解していないことが多いのですが、低い仮歯を入れられると、次のアポイントまでに患者さんの顎の位置はその低い高さに適応してしまい、たとえ正確な高さのブリッジを入れられていたとしても違和感を感じます。

違和感に対してブリッジを削って調整をしてしまうと、かみ合わせは完全に狂ってしまうのです。

3、出っ張っていた上の前歯をかぶせ物で治療をしてから噛みあわせと体の調子が悪くなった
上の前歯が出っ歯ているときはそれほど強く当たっていなかったのに、治療をした後で下の歯が強く当たるようになることがあります。
下の前歯が上の前歯に強く当たると、下顎全体を強く後ろに引いてしまうようになります。

顎を後ろに引くと、顎関節症(体調不良を含む)を発症する可能性が高くなります。

このようなかぶせ物や詰め物の治療で顎関節症から不定愁訴と呼ばれる症状を起こすことがあるのです。

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