メタル充填?その理由(ワケ)

  メタル充填?その理由(ワケ)

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2019.11.20

メタル充填?その理由(ワケ)

なぜ?メタル充填、こだわりの材料!

歯に充填する材料は、「歯科医療の歴史の100年」の中で、ほとんど「メタル(金属)使われて」きました。それにはきちんとした理由があるのです。
近年急速に増えてきた、ノンメタル充填(レジン、ポーセレンなど)には弱点があり、すべての歯に使える材料ではないのです。

金属材料を使う理由(ワケ)
1、最も歴史と信頼のあるアマルガム充填
2、歯医者も使いたいゴールド修復
3、審美材料にも種類がある
4、金属アレルギーのウソ、ホント
 
1、最も長い歴史と信頼性の高いアマルガム充填
歯科用アマルガムは最も信頼性の高い歯科用の充填材料の一つです。アマルガムには以下の3つの特徴があります。

①即日充填、その日に噛んでも大丈夫
アマルガムは金属でありながら、混和した直後は雪のような充填しやすい状態であるのに、僅か5分程度で固まり、1時間以上経過すると物を噛めるほどの硬さになります。操作性がよく治療したその日に使うことができる代え難いメリットがあります。削ったその日に充填できるということは治療による「感染のリスクを最小限にする」ことができたり、「噛み合わせの変化を防ぐ」ことができるのです。

②抗菌性がある
アマルガムには抗菌性があるため、「2次カリエス*1」を起こしにくい材料です。実際に40年以上も前に充填したアマルガムを除去しても下の歯は全く虫歯になっていないことが多いのです。

③耐摩耗性に優れ、適合性がよい
アマルガムは金属であるので、耐摩耗性が優れ、噛み合わせの状態が維持しやすく、場合によっては噛み合わせを挙げることすら可能です。実際の咬合挙上を虫歯の治療を同時に行うと体調がガラッと変わってしまう方も少なくありません。
アマルガムは「直接法充填*2」で、材料と歯との境界を限りなく少なくできるのです。

④歯の切削量が少ない
アマルガムは金属でありながら、アンダーカットがあっても充填可能な唯一の金属材料です。金属材料は歯を削る量が多いと言われますが、アマルガムは例外です。
 

2、根管治療は洗浄がすべ④歯の切削量が少ない
アマルガムは金属でありながら、アンダーカットがあっても充填可能な唯一の金属材料です。金属材料は歯を削る量が多いと言われますが、アマルガムは例外です。て

根の中はとても狭く、神経の死骸や細菌で汚れています。マイクロで確認しながら完全に汚れがなくなるまで根気強く洗浄するのが根の治療の基本なのです。

 

3、審美材料にも種類がある
審美材料(歯と同じ白い材料)には大きく分けて3種類あります。

①レジン(樹脂)
レジン(樹脂)は最近審美材料として頻繁に使われるようになってきました。強度も依然よりかなり良くなっていますが、「金属とは全く異なる材質」であり、摩耗が早く、吸水性があります。
あたかも金属との「耐久性比較で遜色がない」かのように書かれた記事を見かけることがありますが、それは「全くのでたらめ」で所詮は「樹脂」はです。酸とアルカリ、何キロもの力が常にかかる場所には不向きです。前歯などに使う場合も耐久性に限界があるので、「定期的に交換を行う必要」があります。レジンは水分を吸うため、「金属材料より不衛生になりやすい」です。
レジンは歯と接着させるため、象牙細管*4にモノマー*5をしみこませるため。歯との境界がわかりにくく、再治療の際治療が難しくなります。

②セメント(グラスアイオノマーなど)
セメントは、接着剤を用いなくても歯に着いて充填できる材料で、通常は歯と金属材料などを合着*6させるために使います。セメントは歯髄に対する刺激が非常に少なく安全性は高いですが、強度は弱い欠点があります。

③セラミック
セラミックはゴールドなどと同じ関節法で製作される材料です。また薄いと割れてしまう性質があり、歯を削る量はゴールドより遥かに多く、噛んだ時の感触はゴールドやアマルガムのようにしっくりきません。
近年「セレックシステム」*7という光学印象を用いた治療が増えていますが、奥歯ではセンサーを正しく挿入しにくく、光学印象用撮影の精度は低く、問題のあるシステムです。

④歯の切削量が少ない
アマルガムは金属でありながら、アンダーカットがあっても充填可能な唯一の金属材料です。金属材料は歯を削る量が多いと言われますが、アマルガムは例外です。

 

4、金属アレルギーのウソ、ホント
金属アレルギーを理由に全ての金属を外し、メタルフリー治療を採用する医院があります。しかし、金属アレルギーは、実はその原因もはっきりしていない症状であり、費用や、治療後の経過を考えてみると必ずしも好ましい方法とは言えません。

 

*1 2次カリエス・・治療した後に虫歯が再発した際の虫歯のこと。初めて虫歯ができた場合はバージンカリエスと呼び区別される。
*2 直接充填法・・・歯科治療で材料を直接歯に詰める方法。時間とともに固まる材料と、光などを当てることで固まる材料がある。レジン(光重合)、アマルガム、グラスアイオノマー、などがある。間接充填法より充填精度は高い。
*3 関節充填法・・・歯型を取るなどして間接的に歯につめる材料を製作し、後日歯に詰める方法。型材や石膏、技工の技術などで精度が影響される。
口の外で加工するため、時間的制約がなく強度の高い材料を用いることができる。精度は技術にもよるが通常、直接法より劣る。
*4 象牙細管・・・歯の構造のうち、エナメル質より深い部分にある象牙質にある感覚をつかさどると言われている細かい穴。
*5 モノマー・・・レジンを接着するために流す、液状モノマー
*6 合着・・・歯科材料を歯に着けること
*7 セレックシステム・・・光学印象(赤外線で3次元映像を撮影して、光学による型取りを行う印象法)で撮影した型から、セラミック材料を3Dで削り出して修復物を製作するこシステム、実際は光学印象の精度を出すことが難しく、また噛み合わせの面を今までのデータを利用して製作するため、精密性に欠けるシステム。

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