- 2013.01.14
- 全身と歯の関係
歯科医療最前線
歯科医療に私は20年以上も従事していますが、非常につよく感じるのは、歯は全身の状態を示した鏡であるということです。
歯の状態が悪い人は、歯が悪いだけではなく、全身の状態も決してよくありません。
「歯ぎしりをする」たったそれだけでもいろいろなことがわかります。
「非常にストレスのある仕事をしているのか?」とか「無理をして働いていないか?」
など、歯の状態を見て想像してしまいます。
どんなにこちらがキチンと治療しても、普段の生活に無理があれば、歯ぎしりで歯にひびは入るし、歯をきちんと磨く余裕はなくなりますし、免疫能は落ちて、顎は緊張して唾液が出にくくなり、結局虫歯になりやすくなります。
つまり、治療は全身管理と両輪であるということです。
これは体に疾患がないのとは違います。疾患がなくても体にとってよくない生活をしていれば、必ず歯には表れるのです。
つまり、歯を見て生活そのものを見直すことが、体に疾患が現れる前の予防になるのです。
歯はほとんど患者さんが治療をするので、これほどよい、予防医療への入り口はないでしょう。
本当の歯科医療最前線とは、無くなった歯をインプラントで補うのではなく、歯から高度なレベルの予防医療へと進んでゆくことではないでしょうか?
実際私どもの医院では、患者さん自身が気づいていない、睡眠不足や、ストレス過多について、できるだけ指導をしてゆくようにしています。
実際、そのことがきっかけで、生活習慣を見直したり、食事に気を遣ったりする方も多くいらっしゃいました。
歯も治って、全身にも興味を向けてくれたわけです。
日本全国の歯科医院がこのような姿勢でいれば、保険医療の破たんも避けれれるのではないかと感じます。
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