- 2016.03.04
- 自由診療
歯科は次のステージへ
日本の歯科が、保険制度では経営が成り立たないという事情が大きな問題となってきてから、歯科医師たちはこぞって、インプラントや、審美歯科などの自由診療で利益の出る治療に移行してゆきました。
しかし残念ながら、これらの治療は本質的に歯の寿命を長くしたり、患者さんの本当の意味での治療になっていなかったりしていたので、徐々にボロが出てくるようになって来ました。
インプラントは所詮異物ですし、歯のような歯根膜も無いので自由に動くこともありません。
ほとんどの方は理解していないかもしれませんが、人間の歯は常に動いています。また顎の骨も微妙に動いて調節しながら人間の機能が保たれています。
ですから固定式のものを骨に埋め込むこと自体人間の構造に逆らっていますから絶対に無理が来るのです。たとえ、埋め込まれたものやその周りだけに問題が起きていなかったとしても、体全体で見ると実際にはいろいろな問題が起きているのです。
いまはそこそこそのような事実は知られてきましたが、インターネットの普及によって、否が応でもいずれ万民に知られてくるはずです。
また、審美歯科のような白い材料は長年の歯科治療で培われてきた歴史から見て、歯の機能として適切な材料とはとてもいえません。むしろ、咬めなくなったり、虫歯が出来やすくなる原因となったりします。
これらの事実もこれからますます理解されるようになり、歯科医側は今度は「一体どんな治療で自由診療を盛り上げてゆこうか?」といった動きになってきています。
私は昔から思っていたことは、「きちんと虫歯を取り除いて、長く持つ材料で虫歯を修復し、咬みあわせをきちんと治してあげる」、という当たり前の治療を確実すれば必ず理解してくれる患者さんがいると考えていましたし、今もそう考えています。
しかし、意外にこのような考えにのっとって治療が出来る先生はそれほど多くありません。
なぜなら、保険診療のみではきちんとしたこのような治療を経営を続けながら行うことは難しいということと、アメリカのように始めから自由診療で行う虫歯の治療や根の治療の治療技術を学校で教わっていないという問題もあるからです。
また保険制度がある以上、よほどの診療の差がわかる治療を行わなければ、、自由診療で治療を受けていただくことが難しいからです。
特に、日本の場合はまだ、自由診療への理解が十分でなく、「矯正や、審美歯科、インプラントが保険が利かない」ぐらいの理解しかありません。
これからの歯科のステージでは、本来の基本的な虫歯の治療や、根の治療、顎関節症の治療などでもきちんとした治療技術を提供して、それを自由診療で治療を行う医院が増えてこなければ、歯科の将来は厳しいと考えています。保険診療だけで経営が成り立つ歯科医院は非常に少なくなりつつある事実からもそう考えるのです。
実際、マイクロスコープを使った自由診療で行う根管治療は以前より非常に多くなってきています。これから先、金属を使った長持ちする正しい修復治療や、顎関節症をきちんと治療できる矯正治療なども広がってくると考えられますし、それがこれからの新しい歯科のステージとなると考えます。
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